ゲーム用PCを用意する上で、本体と同じくらい重要なディスプレイ。
今回の記事ではパネルの種類と、ディスプレイの性能について解説します。

接続方式の種類

display-connector

引用元:ITpro(2010年の記事)

D-Sub

VGA端子とも呼ばれる、アナログ接続の規格です。
非常に多くのPCやディスプレイに対応しており、高い汎用性を備えます。

しかし昨今のデジタル接続と比べると、実感できるほどの画質差があります。

DVI

PC市場において主流となっている、デジタル接続の規格です。

フルHD(1,920×1,200)までに対応するシングルリンクと、
WQUXGA(3,840×2,400)までに対応するデュアルリンクの2種類があり、どちらも高解像度に対応。

ただし高リフレッシュレートを活かすには、デュアルリンクが必須となります。

HDMI

家電市場において主流となっている、デジタル接続の規格です。
D-SubやDVIとは違い音声を同時に出力できるため、ケーブルの本数を減らせます。

しかしバージョンにより、高リフレッシュレートや自由な解像度の設定が行えません。

DisplayPort

これからの普及が期待されている、次世代の規格です。
HDMIと同じ音声同時出力を備えながらも、より大きな情報量を転送できます。

現行の規格内では、最も高解像度・高リフレッシュレートを扱える反面、
一部のグラフィックボードやディスプレイに搭載されていないことが欠点です。

パネルの種類

TNパネル

低価格帯や高リフレッシュレートのディスプレイに採用されているパネルです。
価格を抑えつつも応答速度に優れ、コストパフォーマンスに優れています。

しかし視野角と発色が他のパネルに及ばず、動画視聴やゲーム以外の利用には向きません。

VAパネル

視野角やコントラスト比に優れるパネルです。
TNパネルに比べ明確な色再現性の高さを感じられるため、色の判別が容易です。

しかし昨今はあまり採用されておらず、応答速度もあまり速くない傾向にあります。

IPSパネル

視野角と色の再現性に優れるパネルです。
VAパネルに比べコントラストでは劣りますが、色の再現性が良くバランスで勝ります。

さらに生産数が増えてきたことから、以前に比べると入手しやすい価格になりました。

ディスプレイの性能

要点まとめ

ゲーマーなら、応答速度・走査周波数・表示遅延の3つを重視します。

サイズ:使用者の好みに準ずる
パネル:使用者の好みに準ずる
解像度:数値が高いものほど良い
視野角:角度が広いものほど良い
輝度:あまり重要視する必要はない
コントラスト比:数値が高いほど良い
応答速度:数値が小さいほど良い
走査周波数:数値が大きいほど良い
表示遅延:数値が小さいほど良い

サイズ

PCから出力された情報が表示される、液晶部分の大きさです。
大きくなればなるほど文字のサイズが増し、見やすい環境を整えられます。

――とはいえ、この説明はあまり正しくありません。
正確には解像度が同じディスプレイでのサイズを比較した場合の話です。

21.5型(1,600×900)と23型(1,920×1,080)では、後者の文字のほうが小さくなります。

パネル

ディスプレイに採用されている液晶のことで、大別して3種類あります。
(各パネルの種類については、記事上部を参照して下さい)

ゲーマーであれば、高リフレッシュレートのTNパネル。
一般作業であれば、バックライト漏れの少ないVAパネル。
クリエイターであれば、色の再現性に優れるIPSパネル。

簡潔に書くとこのような適性があり、もし予算があるなら下記の商品もオススメです。

高リフレッシュレートのVA/IPSパネル搭載ディスプレイ(ゲーマー向け)
カラーキャリブレーションセンサー対応ディスプレイ(クリエイター向け)

そのほか表面加工は、大別してグレアパネルとノングレアパネルの2種類が存在。

前者のグレアパネルは光沢感があり、色の鮮やかさや黒の表現に優れる反面、
設置環境の電灯や外光の映り込みが大きく、目が疲れやすいという欠点があります。

後者のノングレパネルは光沢感がなく、映り込みが少ないため目に優しい反面、
色の鮮やかさがグレアパネルに比べ大きく劣り、全体的に地味な印象となる欠点があります。

解像度

そのディスプレイが扱える、最大の解像度です。
解像度が増すほど表示できる情報量が増し、作業効率の向上が期待できます。

また最大の解像度で常時運用する必要はなく、それ以下での設定も可能。
基本的に解像度は、数字が高ければ高いほど良いという認識で問題ありません。

視野角

正常に見ることができる角度を表した数値です。
視野角が大きいほど、上下左右から見た場合に色の変化が起きにくくなります。

逆に視野角が狭いディスプレイでは、同じ色でも中央と両端で見え方が変わります。

輝度

ディスプレイに内蔵されたバックライトの明るさです。
輝度が高いほど、暗い場所での視認性に優れていると言えます。

しかしほとんどの場合、最大輝度では明るすぎます。
個人的には、最低輝度が併記されているディスプレイを選びたいと考えています。

コントラスト比

色のメリハリを表す数値です。
コントラスト比が高いほど、美しい映像を楽しめるという認識で問題ありません。

応答速度

映像の切り替わり速度を表す数値です。
この数値が小さいほど、残像感を感じにくいです。

ゲーム重視の場合には、標準速度(GtG:グレイ to グレイ))が1msのものを選びましょう。

走査周波数

1秒間に何回映像を切り替えることができるかという数値です。
いわゆるリフレッシュレートと言われるもので、高ければ高いほど良いです。

ゲーマーには重要な部分となっており、最低でも120Hz駆動のディスプレイがオススメ。
高性能なPCが用意できる場合には、144Hz駆動のディスプレイを選びましょう。

表示遅延

ほとんどのメーカーで明記されていない、映像を入力してから表示されるまでの速度です。
応答速度と同様に小さいほど良く、反射神経が問われるゲームで重要です。

ディスプレイにより表示遅延は異なり、画質調整を行うものほど表示遅延が大きい傾向。
表示遅延が大きいと操作から反映までが遅いため、FPSやSTGでは大きく不利になります。

※例

表示遅延が小さいA:映像出力 → ディスプレイ → 内部処理(1秒) → 表示
表示遅延が大きいB:映像出力 → ディスプレイ → 内部処理(3秒) → 表示

実際の表示遅延は、0.0X秒という小さいものです。
しかしこの前提で例えるなら、BはAよりも2秒遅い世界を見ていることになります。

つまり、この遅れが勝敗を決定付けると言っても過言ではありません。

ちなみに各ディスプレイの表示遅延を比較するには、LCD Delay Checkerを使います。
比較したいディスプレイを分配器で接続し、同じ映像を出力します。

その様子をハイスピードカメラで撮影すれば、2つのディスプレイの表示遅延を目視できます。

その他

ディスプレイ性能に関わる主要な項目はここまでですが、他にもいくつか注意する点があります。

まずスピーカーの有無で、スピーカーを内蔵していない場合は別途スピーカーが必要です。
もちろんディスプレイ内蔵スピーカーの音質は良くありませんが、机上をスマートに維持できます。

つぎにディスプレイの可動範囲で、昇降機能や回転機能が存在するかを調べます。
どちらも対応していない一部のディスプレイでは、見にくいまま使うことになります。

最後にスタンドの着脱可否。
スタンドが外せる場合には、モニターアームやスタンドに設置したり、壁掛けなども行えます。

そのほかにも暗部強調やフリッカーフリー、ブルーライトカットなどの機能もあります。
このあたりは、別の記事で解説することがあるかもしれません。