ゲームをプレイするうえで、CPUと同じくらい重要なグラフィックボード。
今回の記事では、ビデオカードとも呼ばれるこのパーツについて解説します。
グラフィックボードとは?
CPUがメインディッシュを担当する料理人だとすれば、グラフィックボードはパティシエです。
見るだけで食欲をそそる美麗なお菓子を作り、甘いデザートで満足感を演出します。
より高度なパティシエになるほど、その確かな技巧によって美麗なデザートを作成可能。
つまり画質や臨場感を重視するプレイヤーほど、高性能なグラフィックボードを選択すべきだと言えます。
逆に見た目にこだわらないのであれば、高度なパティシエである必要はありません。
最低限の性能を備えたグラフィックボードを選びさえすれば、ゲームプレイに支障はないのです。
GeForce
現在最もシェアを握っている、NVIDIAが製造するGPUのことです。
GPUとはCPUの描画専門版にあたり、グラフィックボードに搭載されているGPUが価格を左右します。
また2016年夏に発売されたGTX 10XXシリーズでは、従来に比べ性能が飛躍的に向上。
競合のRadeonよりもドライバの更新頻度が高く、動画録画機能のShadowPlayが利用できます。
Radeon
かつてはATI、現在はAMDが製造するGPUのことです。
競合のGeForceよりもドライバの更新頻度が低いものの、コストパフォーマンスに優れた傾向です。
そのほか「鮮やかな描写」「動画再生に優れる」などの評判もあり、一部では根強い人気も。
ただし両方の製品を使ってきた私にはあまり違いが感じられず、あえて選択する理由が見出せません。
性能早見表
グラフィックボードの性能は、ある程度型番でわかります。
①の部分がCPUでいうプロセッサにあたり、グラフィックボードの基本性能を決定づけます。
仮にGTX 1060なら10段階で6ぐらいの性能、GTX 1080なら10段階で8ぐらいの性能です。
ただしGeForceとRadeonは似たような型番でも性能差があるため、あくまでも目安です。
また②の部分にTiやXがついている場合は、改良版という認識で問題ありません。
これらの記号が付いている場合には、0.5ほど能力が上乗せされると考えましょう。
上にいくほど高性能 | GeForce 9XXシリーズ | GeForce 10XXシリーズ | Radeon 3XXシリーズ | Radeon 4XXシリーズ |
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トップクラス | GTX 1080 Ti Titan X(2016) | |||
GTX 1080 | ||||
このライン以上は安心 | GTX 1070 | |||
ウルトラハイクラス | Titan X(2015) GTX 980 Ti | R9 Fury X | ||
このライン以上がオススメ | Titan Black GTX 980 | GTX 1060 | R9 Fury R9 Nano | |
ハイクラス | GTX 970 | RX 390X RX 390 | RX 480 RX 470 |
|
RX 380X RX 380 | ||||
GTX 960 | GTX 1050 Ti GTX 1050 | |||
ミドルクラス | GTX 950 | R7 370 | RX 460 | |
Battlefield 1の必要環境 GTX 660はこのあたり | ||||
R7 360 |
SLI・CrossFireとは?
グラフィックボードを複数枚利用して、大きく性能を向上させる機能です。
GeForceを利用するのがSLI、Radeonを利用するのがCrossFireと、名称が違います。
組み合わせによっては高性能なグラフィックボード1枚より、中性能のボード2枚の性能が勝ることも。
そのうえ後者の導入コストが安いことすらあるため、性能だけでなくコストパフォーマンスも向上します。
しかし導入には対応するグラフィックボードやマザーボード、高出力の電源などが必要。
さらに1枚挿しに比べて安定性を損なう可能性もあり、ゲーマーにはあまりオススメできません。
高いグラフィック性能を求めるのであれば、優秀なグラフィックカードによる1枚構成が鉄板。
個人的にSLI・CrossFireは、安定性よりも臨場感の向上を目的とした利用方法に合致すると考えます。