CPUとは料理人とコンロの関係だと案内した前回の記事に引き続き、今回はメモリについて。
メモリの標準的な容量と、ゲームを目的とした場合のオススメ容量を解説します。
メモリとは?
前回CPUに関する記事で、ゲーミングPCの作成は料理大会だと例えました。
CPUが料理人とコンロだとするなら、メモリは料理人が使うまな板だと言えます。
まな板が小さいと素材の調理が行いにくく、料理人の腕が活かせません。
これが「まな板のサイズが大きい=メモリが大きいほど良い」とされる理由です。
容量の関係
現在主流のメモリ容量は、2GB ~ 16GBです。
それぞれのサイズをまな板でイメージすると、次の通りです。
2GB:A5サイズ
4GB:A4サイズ
8GB:A3サイズ
16GB:A2サイズ
32GB:A1サイズ
メモリが2GBのPCは、格安のPCでよく見られます。
この価格帯のCPUは省電力向けとなっており、メモリの容量も相まって低性能。
PCの使用頻度が少なく、用途も文書作成やニュースサイトの閲覧のみという方に向きます。
メモリが4GBのPCは、家電量販店で扱われているノートPCでよく見られます。
CPUの性能にもよりますが、このあたりが一般的なPCの使用用途を満たす標準的な容量です。
ただしゲームではたくさんの素材を扱うため、このサイズではまだまだ窮屈だと言えます。
メモリが8GBのPCは、ハイエンドのノートPCやBTO PCでよく見られます。
サイズに余裕があるため、4GBのモデルと比べて体感での速度差を感じやすい容量です。
ゲームを目的とするなら最低限のラインで、8GB未満はカクつきの要因となりやすいです。
メモリが16GBのPCは、ゲーミングノートPCや中~高価格帯のBTO PCでよく見られます。
同時にたくさんのソフトを立ち上げたり、より緻密な画質でゲームをする方に向く容量です。
ただし4GB → 8GBに変えた時ほど体感差は出にくく、予算が限られているなら8GBでも良さそうです。
メモリが32GBのPCは、高価格帯のBTO PCやワークステーションでよく見られます。
イメージとしてA1サイズのまな板だと例えているように、その容量が活きるには用途が限られます。
しかし現在のメモリ価格低下を考慮すると、選択肢としては0ではないとも言えます。
デュアルチャネルとは?
同じ規格・同じ容量のメモリを用意することで、転送速度を高める技術のことです。
イメージとしては同じサイズのまな板を2枚用意して、料理人が分けて使うものだと考えて下さい。
まな板を分けて使うことで肉と魚を同時に調理でき、調理速度が向上します。
大きな素材を扱う場合には、2つのまな板を合わせてA3サイズ(4GB+4GB)として使用できます。
注意する点は、同じ規格・同じ容量のメモリを使用すること。
2GBメモリと4GBメモリという組み合わせでは有効とならないため、4GB×2や8GB×2が必要です。
さらに可能であれば、同じメーカー・同じ生産時期(ロット)まで合わせるとより確実。
まな板で例えると同じサイズでも微妙に厚さが違い、組み合わせた時に段差に悩まされる状態です。
最近はデュアルチャネルセットという形で、メモリ2枚があらかじめ同梱されている商品が多いです。
このセットは4GB×2 / 8GB×2 / 16GB×2などとなっていますので、安心して購入することができます。
ヒートシンクの意味
ヒートシンクとはメモリの基盤を覆う、金属製の放熱板です。
ヒートシンクにより効率的に熱が発散され、メモリの熱暴走が起きにくいとされます。
そのほか、メモリの基盤を直接触ることなくマザーボードに挿し込めるという利点も。
ヒートシンクの有無で価格は大きく変動しないため、ヒートシンク付きを選択するのが無難です。
ただし大きなヒートシンクを搭載したメモリは、CPUクーラーと干渉する場合があるため注意しましょう。
まとめ
今回も初心者向けということで、細かな説明を省いてやっつけで解説しました。
そのためメモリの選択で重要な規格や、チップのメーカー、OC耐性などは割愛しています。
では初心者が選ぶべきメモリとは?
その条件は3つあります。
まず容量は、最低でも8GB以上。
つぎにメモリの枚数は2枚で、1枚や3枚などの奇数を避けます。
また偶数枚でも故障率が高まることから、4枚組も避けておきます。
最後にヒートシンク付き。
ケース内部のエアフローが優れていたり、チップを選びたい場合はヒートシンク無しも選択肢です。